28 January 2011

27 January 2011

カウラでの野菜栽培

オーストラリア北之台開発のあるCowraは、原住民(Wiradjyuri族)の言葉で”Coura”は岩、その岩を抜けるように川が流れる豊かな土地だったそうです。ヨーロッパの移民が始まり、そこは牧草地に変わり、小麦の生産やワインの生産などが始まり人口が増え始めました。同時に、地方都市としてCowraは歴史的にも大きな役割を果たしてきました。

北之台の初代社長の井口昌司氏は、戦争の悲惨さを身をもって体験され、世界にとって何か役に立つことをさせてもらわなくてはいけないと、よく話されていたそうです。そして、Cowraの日本人墓地のことを知り、自ら慰霊のためにCowraに足を運ばれたそうです。そこで、Cowra Breakのこと、その事件で不幸にして命を落とした英霊に対し、オーストラリア人がひとつひとつ墓を作り守ってこられたという話に深く心を打たれ、井口社長はCowraを、世界と未来のために自然栽培を始める地にふさわしいと選ばれたに違いないということです。

そして1996年、自然栽培により、とうもろこし、カボチャ、じゃがいも、インゲンなどが試験的に栽培されました。そのできはとてもよく、本格的な栽培にむけての土地探しが始まったそうです。そして、その年の暮れには、Lachlan River(ラクラン川)の川岸にある50ha(ヘクタール)の平坦な土地を購入、北之台開発による自然栽培が1997年4月から本格的に始まったそうです。

自然栽培の命は土地づくり。最初の取り組みは、なんと牛の糞取り!だったということです。この土地で、以前は、主に肉牛を100頭以上が放牧されており、そのため、畑のいたるところに牛の糞が落ちていたそうです。佐野さんによると「我々としては、この糞を土に鋤き込んで浄化させることを考えていたが、社長の考えは我々とは違っていた」ということです。さて、川口社長の下した指示はといういと・・・。

畑にある牛糞を全て畑の外に出すようにという指示。畑の外とは、50haの土地の外に出すということ。1haが10,000m2なので、どれほど大変な作業が要求されたか想像してみてください。しかし、佐野さんらはこのことから、このプロジェクトに賭ける社長の想いの強さを痛切に感じたということでした。

「我々の考えの甘さを感じ、海外で成功していくには中途半端な考えではいけないし、今後の事業運営にも影響するからであろう思われた。社長のこうした不退転の姿勢に身が引き締まる思いであった。離れたオーストラリアの地であっても社長の思いはストレートに伝わってきた」ということです。

牛糞取りは、4月から2カ月間かかったそうです。「オーストラリアの4、5月といえば、夏の終わりから秋に入る季節であるが、昼間は40度近い暑さになり、当時の2ヶ月間はほとんど雨が降ることがなかった。雲もない晴天が続き、男3人、女2人の5人で乾燥した畑での糞取りは毎日続いた。牛糞取りの作業はほとんど手作業で行われ、畑の隅々まで歩きまわった。お陰で畑全体の状態がどのようになっているかを掌握することができた。2カ月間で集めた牛糞は、8tトラックで100台以上にのぼり、地元のカウンシルの協力によって畑の外に出す業務を遂行することができた。この牛糞取りには多くの地元の方々に協力してもらい、自然栽培を実施するためにどれほど徹底した取り組みを行ったか理解してもらうことができた」ということです。

このように、北之台開発の徹底した自然栽培が始まりました。

「牛の放牧により固まった土地を耕起。日本の冬至から立春にあたる、オーストラリアの6月23日から8月4日に天日、雨、風、霜等で土を自然浄化させ、8月4日が過ぎ、自然栽培の基本通り畑の耕運を始めた。冬の間に雨が降り、霜で凍った土は天日によって細かく砕け、あれほど硬かった土がディスクハローをかけると嘘のように軟らかい土になった。この土であれば作物は立派に育つであろうと安堵した」ということ。同時に当初は、売り先を探す仕事、また、拠点の増築も行っており、そうです。建築が終わるまでは、本当に不眠不休の毎日であったということです。

自然栽培で作られたものを、どのように販売を展開させていけばいいのでしょうか。それもオーストラリアで。みなさんはどう思われますか?

佐野さんらは、地元の人からオーガニックの認定を勧められたそうです。日本ではすでに認証のための経験があったそうですが、オーストラリアでの認証取得となると、不安だったそうです。しかし、自然栽培の理解者からの助言により準備が進んだということです。申請にあたり、3年間の畑の経歴が必要で、どのような農薬や、化学肥料を使用し、どのような農作物を栽培してきたかなど書類に記載し、検査委員が聞き取り調査に農場を訪れるそうです。

1998年1月、土壌分析の結果が出て、基準値を超えた残留農薬が残っており、そのため、地上部を収穫する野菜に限っての限定付きでの認証が下りることになったということです。この認証は、地上部での穀物(小麦等)や地下部のイモ類(ジャガイモ等)に関しては、残留農薬の影響が現れるとして認可にならなかった。1月末、ついに念願のオーガニックの認証が下り、条件付きの認証ではあったそうですが、ライセンスナンバー2332の認定証を受け取ったということです。認証を得たことにより、国内での販売が活性化し、オーガニック店への出荷、フリーマーケットでの販売などへと拡大させています。また、オーストラリアのマーケットに合ったほうれん草などの作物の収穫を伸ばし販売することが、経営の柱となってきたということです。

この10年あまりを振り返り佐野さんらは、「何度か絶望的な状況に陥ったこともあった。2000年7月、初代井口社長が他界された。当時を思うとその時が一番厳しい状況であったかように思われる。しかし、どんなに苦しい時があっても仲間で励ましあって乗り越えて来た。本当に乗り越えることができたのは、オーストラリアの人々に助けられたからでもある。それは、栽培したほとんどの野菜がよく売れたからである。現地の人たちに買ってもらうことによって助けられたということを実感した。他国にいてこんなに力強く感じさせる協力者はいなかった。本当に感謝で一杯である」。

「本当に良いもの、美味しいものに真剣に取り組むことによって、人は味を通して栽培を理解し、活動に協力してくれることが我々の貴重な経験であり、これが経営方針でもある。また、厳しい栽培環境ではあったが、自然を尊重し、自然に順応していく自然栽培を進めていくと自然をもが協力してくれることを何度も体験した。長く厳しい旱魃が続くオーストラリアではあるが、その時々の状況に応じて栽培体系を替え、水の使い方を工夫しながら取り組むことによって不可能を可能にしてきた。このことは今までの常識からでは考えられないであろう。おそらく、実際に取り組んだ者でなければ実感として理解できないことでもあろう」と。

今もCowraで、オーストラリア北之台開発のメンバーは厳しい自然と向かわれて、畑に立たれています。自然栽培について、より多くの人たちが理解を深め、そのことにより、自然と食の関係が豊かになれるということを、これかれも私の活動のひとつとしていきたいと思います。

http://career.alc.co.jp/kaigai/ryori/bn/139.htmlより引用

Pure Farmingとは

皆さんは Pure farming (自然栽培)という言葉を聞かれたことはありますか? 私は、 Natural farming (自然農法)という言葉を聞いたことがあったのですが、Pure Farmingははじめての言葉でした。

Natural Farmingという言葉は、一昨年ぐらいでしょうか、偶然手にしたオーストラリアの「Organic Gardener」(ABC出版)という雑誌のページをめくっていると、 日本人の名前が目に留まりました。そこには、Mr. Masanobu Fukuoka(福岡正信氏)の悲報が伝えられ、彼の功績がまとめられていました。その時に初めて Natural farming という言葉に出会い、この自然農法とはなんなのか、興味が湧き始めました。

そうこうしているうちに、これまた偶然、オーストラリア、Cowra(第103回)でPure Farming を実践されているグループの方に会う機会を得る事ができました。このグループが今回紹介する「オーストラリア北之台開発(株式会社)」です。

去年、Cowraの桜祭りが9月21~22日の2日間に渡り行われ、私も訪れる機会がもてました。会場となったJapanese Gardenでは、太鼓、琴、尺八、雅楽などの演奏、生け花、お茶会など盛りだくさんのイベントが行われていました。両日ともに、強い風が吹き、少々肌寒く、天候に恵まれていたというわけではありませんでしたが、それでも大勢の人が集まり、庭園内は大変にぎわい、戦争という歴史の上に、多くの人の平和の願いをこめてこのイベントを毎年行っている主催や参加者の方々の長年の貢献に、胸が熱くなり、自然と感謝の気持ちが沸いてきました。私も、多くの方の協力を得て、この桜祭りで「包丁式」(第87~88回)を行いました。その中で、「包丁式」を一段と盛り上げてくれたのが、オーストラリア北之台開発の雅楽の演奏でした。

Pure farmingと雅楽? と、初めて聞いたとき、このふたつの繋がりが不思議で仕方がありませんでした。みなさんは想像がつきますか?このつながりをオーストラリア北之台開発のマネージャーの佐野さんにお聞きしました。

北之台開発は、1994年に設立、千葉県いすみ市を本拠地として活動されているとのことです。長年自然栽培に携わった井口昌二初代社長が「人々が心身ともに健康になるように」という願いをこめて、会社を設立。健全な体を育むための自然栽培と自然食事事業を行い、それと同時に、人々の精神性を高めるための雅楽事業も行い、これらを会社の柱として事業の展開されてこられたそうです。

みなさんは、雅楽の音色を聴かれたことがありますか? 私は雅楽を聴くと、なんだか時空を超えるような不思議な気持ちが湧き上がってきます。雅楽にはそんな不思議な魅力があります。私は、雅楽には触れたことはないのですが、とても繊細な楽器だそうです。農作業の合間に、雅楽の演奏を行うスタッフの気持ちを想像すると、井口社長が願った「心が健康に・・・」という思いが伝わってくるような気がします。

北之台での活動を通して佐野さんらは、「現代社会は人を健康に導くことよりも病気に導くことの要因があまりにも多いのが現実で、食品への化学物質の投入や遺伝子操作された農作物、日常生活における環境ホルモンの問題、地球規模で問題となっている地球温暖化。こうした問題はどこから発生するのであろうか」と問いかけられています。

これらの問題は、昨今、耳にしない日がないほどテレビ、新聞などで報道され、早急の取り組みが必要とされていますが、なかなか劇的な動きは見られいないような気がします。

佐野さんらは、その原因と解決法を次のようにまとめています。「それは、人のことよりも自分のことを優先する心が強く働くことによって生まれる現象である、と考える。社会、世界の利益よりも個人の利益を優先することが大きな問題を発生することにつながっているのであろう。こうした社会にあって、自然栽培の取り組みは、一個人の健康を守るだけでなく、それが広がることにより、自然環境をも守り、拡大すれば地球環境を守ることへと発展されるであろう」

北之台開発は、自然栽培を通して作物を育てるというひとつの活動を通じ、それ以上のメッセージをわれわれに送ってくれています。自然栽培と口で語るのは簡単ですが、日々、自然と向きあう大変な仕事です。

佐野氏によると、自然栽培は日本では50年以上の実績をもって栽培が続けられていということです。その理念は「自然を尊重し、自然に順応させることであり、太陽と水と土の力で作物を栽培するのがその原理です。自然栽培とは、自然生態系を壊すような農薬や化学肥料、動物性の堆肥等を一切使用せずに、高品質で安定した食糧生産をすることを目的とした農法であります。これは、地球にもやさしく永続性のある栽培方法で、その土地の気候、風土等の自然環境に順応し、敵地適作を基本とする環境適応型農業ともいえる」ということです。具体的な土づくりは、プラウを使用して土壌を耕転させ、土の下方の硬い層を土壌表面に出し、天日や風雨にあてて自然浄化させいく、このことにより、作土層が深くて柔らかい土が作られます。また、自然栽培のポイントは、作物の根伸びをよくすることで、同時に、よく根の張る作物(トウモロコシや小麦等)を栽培することによって、より作物の根を深く張る効果があげられる。このことによって病害虫の発生を抑え、美味しい作物ができるようになる。

私も北之台開発の野菜をいただいたのですが、とても水々しくて、形も整っていて本当に美味しかった。野菜の本来の味がするとでもいったらよいのでしょうか。オーストラリアで手に入るオーガニックの野菜はどちらかというこれらの点に欠けるので、彼らの野菜を見たときは、自然栽培でここまで作れるのかと驚きました。

「人の健康を願うということは、生産---流通---消費が行われる社会の中で、一貫して健康ということを貫いていかなければならない。一生産者がどれほど自然栽培に努力したところで、この課題を達成することは不可能に近いことであろう」と。だからこそ、オーストラリア北野台開発の使命は、自然栽培の考え方が多くの人々に共感されるような取り組みを続けていくことだ、ということでした。


オーストラリアは自然が豊かな国といわれますが、しかしながらとても厳しい風土を持ち合わせています。このところの異常気象は、彼らの農場にも水不足という苦境に立たされています。次回は、このような状況下で、多くのひとに共鳴されつつある北之台開発の活動に触れていきます。

北之台開発
http://kitanodai.co.jp/

北之台雅楽会
http://www.kitanodaigagakukai.org/


http://career.alc.co.jp/kaigai/ryori/bn/138.htmlより引用

24 January 2011

Twitterもやってます。

Yes Food Serviceさんからの、短くてタイムリーなメッセージを受信しましょう!

Twitterは豊富なリアルタイム情報の宝庫です。Twitterには信じられないくらい様々な話題の情報が飛び交っています。今すぐ参加して@yesfoodserviceさんをフォローしよう!

今後の入荷予定

北野台開発さんからの連絡でこれから収穫される野菜、果物です。

1.トウモロコシ  1月ー4月 500本/
2.エビスカボチャ 2月ー5月 500キロ/
3.メロン            2月ー3月 50個/
4.スイカ            2月ー3月 20個/
5.キュウリ          2月ー3月 少量
6.ズッキーニ       2月ー3月 少量
7.夏ダイコン     1月ー3月 500本/

その後もホウレン草や大根などが続きますのでお楽しみにしていて下さい。 

詳しい入荷日やお値段などについては随時このブログにアップしていきます。

21 January 2011

カウラ、北野台開発さんの野菜(過去)









過去に出荷していただいた野菜です


お支払いについて

今回からクレジットカード(Visa、MasterCardのみ)及びEftPOSでのお支払い可能です。American Expressは勘弁して下さい。

本来であれば…Minimum ChargeとかCredit Card Surchargeなんて必要なのですが、当面頂きません。

とにかくできるだけ多くの方に利用していただければと思います。

13 January 2011

Cowraのトウモロコシ

一本$1.30

購入ご希望の方は以下の注文フォームよりお申込みください。