自然農法
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自然農法(しぜんのうほう)とは、不耕起(耕さない)、不除草(除草しない)、不施肥(肥料を与えない)、無農薬(農薬を使用しない)を特徴とする農法。肥料や農薬を使用する従来農法(有機農法も含む)と異なり、基本的に播種と収穫以外の作業を行わず、自然に任せた栽培を行う。しかし、油粕や米ぬかだけは撒く人や、耕起だけは行う人、草を取らずとも刈ってしまう人なども自然農法の実践者として名乗る事があるためその栽培法は多様である。日本や世界各地に実践者がいる。
実践者 [編集]
以下、代表的な自然農法の実践者を挙げる。
福岡正信
1937年に帰農、実験的に自然農法を始める。高知県農業試験場勤務を経て、1947年からは自然農法一筋に生きる。栽培形態が最も自然に近い独創的な農法を実践、普及。多様な植物の種子を百種類以上集め、粘土と共に混合・団子状にした粘土団子を作ったことでも知られる。
岡田茂吉
1935年に「健康」の生命原理と「無肥料栽培」の根本原理を説く。1934年(昭和9年)の東北の大冷害で農家の悲惨な状況を助けたいという思いからもあった。1936年から東京都世田谷区上野毛の邸宅にて実験的に作物を作り始め、1942年からは水稲にも取り組む。1950年(昭和25年)から「自然農法」へと改称し、1953年には「自然農法普及会」を発足させた。1951年にはアメリカの初代J.I.ロデール(現在のロデール研究所)とも親交を交わしている。1949年には、瑞泉郷構想を発表すると共に、静岡県熱海市西山の地に現在でいう統合医療による診療所と多角的農業の実験展示ほ場、花卉栽培、山水を生かした庭園などを建設し、農医連携の考えをもっていた。岡田の在世時には完成しなかったが、その遺志を受け継いだ団体によって静岡県伊豆の国市に瑞泉郷構想は実現した。
岡田の自然農法は、堆肥は活用するが、金肥や人肥、厩肥などの肥料や農薬を使用せず、土本来が持っている作物を育てる力を発揮させ、活用する。
現在、普及にあたっては、ガイドラインが存在する。移行期間には認可を得て資材を使うこともあるが、土に力があれば資材も使用しないで充分育つと考えているので、資材は一時的使用となっている。
* 【理念】 大自然を尊重し、その摂理を規範に順応する。
* 【原理】 生きている土の偉大な能力を発揮させる。
比嘉照夫
琉球大学名誉教授。名桜大学国際EM技術研究所所長。EM菌を利用したもの。
川口由一
農薬を用いた農業で体を壊し、無農薬、無肥料、不耕の農業を始める。また、漢方医学と出会い、「生命の営みに沿った農」を模索。
岩澤信夫
境循環型の稲作農法である不耕起移植栽培を提唱し普及活動を展開している農業技術者。
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